2.8. その他¶
このセクションではUNIX系の環境でMroongaをソースコードからインストールする方法を説明します。
2.8.1. 依存関係¶
MroongaをビルドするためにはいくつかのツールとライブラリーとMySQLが必要です。MySQLの代わりにMariaDBを使うこともできます。
2.8.1.1. ツール¶
必須のツール:
wget、curlまたは Web ブラウザ(ソースアーカイブをダウンロードするため)
tarとgzip(ソースアーカイブを展開するため)シェル(
dash、bash、zshなど、どのようなシェルでもたぶん大丈夫)CコンパイラーとC++コンパイラー (
gccとg++がサポート対象だが、他のコンパイラーでもたぶん大丈夫)
make(GNU makeがサポート対象だが、BSD makeなど他のmakeでもたぶん大丈夫)pkg-config (ライブラリを検出するため)
これらを用意してください。
シェルの代わりに CMake を使うこともできますが、このドキュメントではCMakeを使ってビルドする方法については説明しません。
あるとよいツール:
sudo (ビルドしたGroongaをインストールするため)
2.8.1.2. ライブラリー¶
必須のライブラリー:
Groonga 。(もしパッケージを使うなら、開発用パッケージをインストールしてください。debなら
libgroonga-devで、RPMならgroonga-develです。)
あるとよいライブラリー:
2.8.1.3. MySQL¶
Mroongaはインストール済みのMySQLだけでなくMySQLのソースとビルドディレクトリーも必要です。そのため、MySQLのパッケージを使うことはできません。MySQLのパッケージはMySQLのソースとビルドディレクトリーを提供していないからです。MySQLのソースとビルドディレクトリーが必要です!
MySQLの代わりにMariaDBを使う場合でもMariaDBのソースが必要です。
MySQL 5.6最新版のソースコードをダウンロードし、ビルド&インストールして下さい。
mysql-5.6.21を使用し、以下にソースディレクトリが展開されているものと仮定します:
/usr/local/src/mysql-5.6.21
次のディレクトリーでビルドします:
/usr/local/build/mysql-5.6.21
次のコマンドラインはMySQLをビルド・インストールするコマンドラインです:
% cd /usr/local/build/mysql-5.6.21
% cmake /usr/local/src/mysql-5.6.21
% make
% sudo make install
MySQLのバイナリが以下にインストールされているものと仮定します:
/usr/local/mysql
2.8.2. ソースからビルド¶
MroongaはGNUビルドシステムを使っています。以下は一番簡単なビルド手順です:
% wget https://packages.groonga.org/source/mroonga/mroonga-6.12.tar.gz
% tar xvzf mroonga-6.12.tar.gz
% cd mroonga-6.12
% ./configure \
--with-mysql-source=/usr/local/src/mysql-5.6.21 \
--with-mysql-build=/usr/local/build/mysql-5.6.21 \
--with-mysql-config=/usr/local/mysql/bin/mysql_config
% make
% sudo make install
% /usr/local/mysql/bin/mysql -u root < /usr/local/share/mroonga/install.sql
次のことを configure で指定しなければいけません。
--with-mysql-sourceでMySQLのソースコードがあるディレクトリーを指定します。
--with-mysql-buildでMySQLのビルドディレクトリーを指定します。
--with-mysql-configでmysql_configコマンドのパスを指定します。
SHOW ENGINES SQLを実行することでMroongaが正常にインストールされているかを確認できます。 Mroonga という行があればMroongaは正常にインストールされています:
mysql> SHOW ENGINES;
+------------+---------+------------------------------------------------------------+--------------+------+------------+
| Engine | Support | Comment | Transactions | XA | Savepoints |
+------------+---------+------------------------------------------------------------+--------------+------+------------+
| Mroonga | YES | Fulltext search, column base | NO | NO | NO |
| MRG_MYISAM | YES | Collection of identical MyISAM tables | NO | NO | NO |
| CSV | YES | CSV storage engine | NO | NO | NO |
| MyISAM | DEFAULT | Default engine as of MySQL 3.23 with great performance | NO | NO | NO |
| InnoDB | YES | Supports transactions, row-level locking, and foreign keys | YES | YES | YES |
| MEMORY | YES | Hash based, stored in memory, useful for temporary tables | NO | NO | NO |
+------------+---------+------------------------------------------------------------+--------------+------+------------+
6 rows in set (0.00 sec)
以下、それぞれの手順の詳細を説明します。
2.8.2.1. configure¶
まず configure を実行します。重要な configure の引数は以下の通りです:
2.8.2.1.1. --with-mysql-source=PATH¶
MYSQLのソースコードがあるディレクトリーを指定します。
これは必須の引数です:
% ./configure \
--with-mysql-source=/usr/local/src/mysql-5.6.21 \
--with-mysql-config=/usr/local/mysql/bin/mysql_config
2.8.2.1.2. --with-mysql-build=PATH¶
MySQLのソースコードをビルドしたディレクトリーを指定します。
MySQLのソースコードがあるディレクトリーでビルドした場合はこの引数を指定する必要はありません。他のディレクトリーでビルドしたときはこの引数を指定する必要があります。
以下は /usr/local/build/mysql-5.6.21 でMySQLをビルドした時の例です:
% ./configure \
--with-mysql-source=/usr/local/src/mysql-5.6.21 \
--with-mysql-build=/usr/local/build/mysql-5.6.21 \
--with-mysql-config=/usr/local/mysql/bin/mysql_config
2.8.2.1.3. --with-mysql-config=PATH¶
mysql_config コマンドのパスを指定します。
mysql_config コマンドが PATH から探索可能であればこの引数を指定する必要はありません。例えば、 mysql_config が /usr/bin/mysql_config にある場合はこの引数を指定する必要はありません:
% ./configure \
--with-mysql-source=/usr/local/src/mysql-5.6.21
2.8.2.1.4. --with-default-tokenizer=TOKENIZER¶
全文検索用のデフォルトのトークナイザーを指定します。この値はmy.cnfでもカスタマイズできます。
デフォルト値は TokenBigram です。
デフォルトのトークナイザーとして TokenMecab を使う例です:
% ./configure \
--with-mysql-source=/usr/local/src/mysql-5.6.21 \
--with-mysql-config=/usr/local/mysql/bin/mysql_config \
--with-default-tokenizer=TokenMecab
2.8.2.1.5. --prefix=PATH¶
インストール先となるディレクトリを指定します。Mroonga関連のファイルは ha_mroonga.so を除いて ${PATH}/ ディレクトリ以下にインストールされます。 ha_mroonga.so はMySQLのプラグインファイルです。これはMySQLのプラグインディレクトリーにインストールされます。
デフォルトは /usr/local です。この場合、Mroongaをインストールするために使う install.sql は /usr/local/share/mroonga/install.sql にインストールされます。
以下はシステム全体にMroongaをインストールするのではなく、ユーザーが個人で使う目的で ~/local にインストールする例です:
% ./configure \
--prefix=$HOME/local \
--with-mysql-source=$HOME/local/src/mysql-5.6.21 \
--with-mysql-config=$HOME/local/mysql/bin/mysql_config
2.8.2.1.6. PKG_CONFIG_PATH=PATH¶
これは configure の引数ではありませんが、Groongaを標準的な場所にインストールしていないユーザーのために説明します。
Groongaを /usr/lib など標準のパス以外にインストールした場合は PKG_CONFIG_PATH を指定する必要があります。例えば、 ーーprefix=$HOME/local でGroongaをインストールした場合は以下のようにします:
./configure \
PKG_CONFIG_PATH=$HOME/local/lib/pkgconfig \
--with-mysql-source=/usr/local/src/mysql-5.6.21 \
--with-mysql-config=/usr/local/mysql/bin/mysql_config
2.8.2.2. make¶
configure が成功したら make でMroongaをビルドします:
% make
マルチコアCPUを使っている場合は -j オプションを使うとより速くmakeを実行できます。もし、4コアのCPUを使っている場合は、 -j4 オプションを使うともっと速くビルドできます:
% make -j4
make で何かエラーが発生した場合は、そのエラーをレポートしてください: 見つけたバグを報告するには
2.8.2.3. make install¶
これでビルドしたMroongaをインストールできます!:
% sudo make install
${PREFIX} とMySQLのプラグインディレクトリーへの書き込み権限がある場合は sudo を使う必要はありません。例えば、 --prefix=$HOME/local と指定した場合です。この場合は make install を使ってください:
% make install
2.8.2.4. mysql -u root < install.sql¶
MroongaをMySQLに登録するために INSTALL PLUGIN や CREATE FUNCTION といったSQLを実行する必要があります。これらのSQLは ${PREFIX}/share/mroonga/install.sql に書かれています。
以下は configure に --prefix=$HOME/local と指定した場合の例です:
% mysql -u root < $HOME/local/share/mroonga/install.sql
2.8.2.5. uninstall Mroonga¶
If you want to remove Mroonga, type below commands:
% git clone git@github.com:mroonga/mroonga.git
% mysql < ${PREFIX}/share/mroonga/uninstall.sql
% cd ${MROONGA_BUILD_DIR}
% sudo make uninstall